私は20代前半の頃から心理学に興味がありました。
振り返ると、その理由のひとつには、幼少期から親がうつ病を患っていたことも関係していると思います。
「人の心はなぜ苦しくなるのだろう」
「どうしたら少しでも楽になれるのだろう」
そんなことを考える機会が、人より少し多かったのかもしれません。
当時の私は転職も多く、自分自身も生き方に迷っていました。
そんな時、とある心理学の先生と出会いました。
その先生は60代の男性で、もともとは金融関係のお仕事をされていた方でした。
経歴もとてもユニークで、借金や自殺未遂などの経験もあり、話を聞くだけでも非常に印象的な先生でした。
そして何より驚いたのは、その先生の鑑定でした。
私のことを次々と言い当てられ、鑑定が終わる頃には、不思議と心が軽くなっていました。
そこで私は先生に質問しました。
「先生は心理学の先生なのに、なぜタロットをされているんですか?」
すると先生は笑いながらこう答えました。
「始めた頃は、心理学だけじゃお客さんがあまり来なかったんだよ。」
そして続けて、
「心理学の先生に最初から、不倫や借金、離婚の話なんてしにくいでしょう?」
「でも占いなら気軽に来られる。占いだからこそ、みんな本音を話してくれるんだよ。」
その言葉が、今でも強く心に残っています。
占いというものは、怪しいと思われることもあります。
でもだからこそ、普段は話せないようなセンシティブなことも、安心して言葉にできる場所になるのだと思います。
私はその時、タロットは未来を当てるためだけのものではないのだと知りました。
占いは、人が安心して本音を話せる入口になる。
誰にも言えなかった悩みや苦しみを、少しずつ言葉にできる場所になる。
そして、その対話の中で、自分自身の本当の気持ちに気づいていく。
だから私は今もタロットを続けています。
カードを通して未来を決めつけるためではなく、その人自身が持っている答えや本音を、一緒に見つけていくために。
鑑定が終わったあと、
「話せてよかった」
「気持ちが軽くなりました」
そう言っていただける瞬間が、私にとって何より嬉しい時間です。

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